性感染症Sexually transmitted disease
性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、HIV/エイズなどが主なものです。
2002年をピークにやや減少していますが、決して少ない数ではありません。
パートナーとともに早期の治療が必要です。随時、検査・治療いたしております。
※風俗関係の就労許可のための検査はしておりません。
性器クラミジアChlamydia infection
帯下が多い、腹痛など症状を示すものより、何も症状のない無症候性の感染者が多くみられます。
放置しておくことで、不妊症の原因となることもあります。また性器以外への感染、咽頭などにもしばしばみられます。
膣分泌物での検査が主で自己採取法でも可能です。また男性同様、尿検体でも可能になりつつあります。
治療は単回投与(抗生物質の1回内服)で治ります。
ただし治るまでには7日間程度かかります。
淋菌感染症Gonococcal infection
男性では尿道炎、重症化すると精巣上体炎、女性では症状に乏しく、重症化すると発熱 骨盤腹膜炎、肝周囲炎となる場合もあります。またクラミジアと同様に咽頭炎、結膜炎を引き起こすこともあります。
1回の性行為による感染率は30%と高く、男性の場合は2~7日間の潜伏期の後に症状が出現しますが、女性では判然としません。
特徴的なことは薬剤耐性が顕著なことです。
内服薬では無効の場合が多く、淋菌が消失しない場合でも症状は改善されることがあります。
確実な方法として点滴をすすめています。
男性では無精子症、女性では骨盤内の癒着などによって不妊症の原因となります。パートナーの診断、治療が不可欠です。
性器ヘルペスGenital herpes simplex virus infection
単純疱疹ウイルスの性器感染症です。初発型と再発型に分けられます。
初発型は感染機会があって1週間以内に外陰部痛が出現、外陰部に左右対称に小型の浅い潰瘍が多発することが多く、鼠徑リンパ節の腫脹、発熱を伴い、疼痛は激しく、とくに排尿時に痛みが増強します。
再発型は症状が軽く持続期間も1週間以内のことが多く、再発の誘因としては、月経、体調不良、妊娠・出産、性交などが考えられます。
また潜伏期は数年に及ぶこともあります。
診断に際しては現在、感度がよく特異性の高い診断法がありません。
治療は抗ウイルス剤の進歩により内服薬で治癒可能です。
尖圭コンジローマGenital warts
ヒトパピローマウイルスが外陰部や肛門部に感染して生じる良性の疣贅疾患(いぼ)です。外陰、会陰、肛門周囲、膣、子宮頚部など性交で表皮に損傷を受けやすい部位に発症します。
外陰部に発症する典型的なものは、角化が強く隆起した腫瘤の表面が無数の尖った堅い突起で埋め尽くされます。
治療は電気焼却、レーザー蒸散、外科的切除、液体窒素による凍結、抗ウィルス剤の塗布などありますが、有効率はどれも70%程度、再発率も30%程度です。